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イースター・ホリデー

★2004年のイースター期間中のイヴェント詳細は、
イヴェント目白押しのイースター・イン・シドニー」で
紹介しています

秋のイースター(復活祭)は、多くの人にとって大きな休暇を意味する。

年中無休の看板をあげているところでも、「グッド・フライデー」と呼ばれるイースターの初日とクリスマスには、休みのことが多い。家族や親戚一同が集まるのも、たいていはこのどちらかの時だ。

日本で言えば、さしずめお正月かお盆といったところだろうか? イースターの時期は毎年変わるが、3月か4月に土日を挟んで四連休となる。これに重なって学校の休暇が二週間ほどあるので、子どもがいる家庭では、連休の前後にあわせて有給休暇を取ることが多い。

ちなみに、有休は「取るのが当たり前」とされている。例えば1年に20日間有休がある場合は、基本的に退職時を除いて、金銭で買い上げられることはない。病欠は別にあるので、たいていの場合は、純粋に(?)、ホリデーのために使われる。

オーストラリア人を見ていると、家族や友人と過ごすための休暇をとても大事に、そして、楽しみにしていることがわかる。
彼らは休みが終わると同時に次の休みの計画を立てて、用意周到に準備する。3ヵ月や半年先、場合によっては1年先の予約だって早々に入れてしまう。

「仕事の都合を見て、休みが取れるようだったら……」
なんて、これっぽっちも思っていない。みんなが休むのだから、「お互いさま」なのだ。

週単位で借りられるキッチン付きの宿泊施設や、馴染みのキャンプ場に長期滞在して、普段よりものんびりとしたペースで過ごすのが、オージー(オーストラリア人)流ホリデー。毎年、同じ時期に同じ場所で過ごす人も少なくない。

「どこへ出かけるか」「何を見るか」ではなく、「誰とどんな風にそこで過ごすか」ということに、重きを置いているような気がする。
お金をかけて遠くに出かけることだけが休暇ではない。旅行に行かなくても、楽しく過ごす方法はいくらでもある。

その点、シドニーの環境は恵まれていると思う。中心街は高層ビルが立ち並ぶ都市でありながら、美しいビーチまで車やフェリーで30分。緑溢れる公園もあちこちにある。

海辺や公園にあるバーベキュー設備は、手軽なレジャーとして人気が高い。誰もが使えるようになっていて、大人数で出かけても、手間もお金もほとんどかからない。

青空の下で、ゆっくりおしゃべりしながら、肉や野菜を焼く大人たちのそばで、子どもたちが走り回ったり、ボール遊びをしたりしている光景がどこでも見られる。

「週末はどうだった?」
「ホリデーはどうだった?」
と言うのが休み明けの朝の職場や学校でのあいさつだ。午前中のしばらくはこの話題に時間が費やされることになる。毎回、逐一出来事を報告しあう様子にはつくづく感心する。

老若男女を問わず、みんなが太陽と海を愛するこの土地には、アウトドア文化がしっかりと根付いている。

(月刊「清流」〜世界の街角から〜掲載)

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