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「オーストラリアならでは」の趣向を凝らしたユニークな聖火リレー
【2000年5月13日】

シドニーオリンピックの「聖火」採火式が5月10日、オリンピック発祥地オリンピア(ギリシャ)の遺跡ヘラ神殿前で行われた。(あいにく曇天のため、前日のリハーサルで採火された「予備の聖火」が点火に使われていたが…)

聖火は10日間ギリシャ各地を巡った後、南太平洋を中心とする13カ国を通り、ノーザン・テリトリー準州のウルル(エアーズロック)国立公園に6月8日に到着することになっている。国内だけで27000キロをカバーし、コミュニティー活動に力を注ぐ一般市民6千人を含めた1万1千人が走る史上最大規模の聖火リレーだ。

ライフセーバーの使用する救助用サーフボートや、豪華長距離列車インディアンパシフィック号、辺境の医療用(フライングドクター)の飛行機など、「オーストラリアならでは」の交通手段を使ったユニークなルートがたくさん組み込まれており、グレートバリアリーフでは聖火を手にしたダイバーが海中を潜ることになっている。

6月から9月にかけてオーストラリア旅行を予定しているなら、ぜひ聖火リレーのスケジュールをチェックしてみよう。オリンピック気分を先取りできるチャンスだ。

◆聖火リレールート

 6月8日〜9日 ノーザン・テリトリー準州
 6月9日〜28日 クイーンズランド州
 6月28日〜30日 ノーザン・テリトリー
 6月30日〜7月10日 西オーストラリア州
 7月10日〜19日 南オーストラリア州
 7月19日〜31日 ヴィクトリア州
 8月1日〜5日  タスマニア州
 8月6日〜14日 ヴィクトリア州
 8月14日〜9月5日 ニュー・サウス・ウェールズ州
 9月5日〜7日  首都特別地域
 9月7日〜9月15日  ニュー・サウス・ウェールズ州
 

<聖火リレー裏話>

今回の聖火リレーで最初に走るオーストラリア人ランナーは当初ギリシャ系移民の高校生とされていました。ところが、蓋を開けてみると、最初のオーストラリア人ランナーは国際オリンピック委員会の役員の子供になっており、ちょっとした論議を呼んでいます。「おいおい、それはないだろう」という感じですね。一生の想い出となるはずだったイヴェントが台無しにされた最初に走るはずだった子はとってもかわいそうだけど、マスコミの攻撃を受けて開き直る鈍感な父親を持つ子供もちょっと気の毒……。冷静に対処した高校生は株を上げシドニーに聖火が来たときにももう一度走らないか、と誘われているそうです。

(「地球の歩き方」ホームページ・シドニー特派員レポート掲載)

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