ホーム > シドニーのイヴェント > 10月

ザ・ワールド・シェフ・ショーケース
【2009年10月12日】

世界各国の有名シェフが集う「ザ・ワールド・シェフ・ショーケース
(The World Chef Showcase)」が、「シドニー・インターナショナル
フード・フェスティヴァル
」(旧称:グッド・フード・マンス)の
ハイライトの一つとして、スター・シティで初開催されました。

全部で6つあるプログラムのうちの1つは、「JAPAN」をテーマにしたもの。
最初のセッションでは、京都の料亭「菊乃井」3代目当主の村田吉弘氏が
デモンストレーションを行い、世界のグルメを魅了するシドニーの
「Tetsuya's」のオーナーシェフ和久田哲也氏がサポート役を務める……
という何とも贅沢なものでした。


村田吉弘氏(菊乃井)&和久田哲也氏(Tetsuya's)
(c) Middy Nakajima

テーマは、甘味、酸味、塩味、苦味と並ぶ第5の味として世界的に認識が
広まりつつある「UMAMI(うま味)」について。日本食の根底にある
だし文化を語るだけでなく、シンプルなやり方でにんじんやかぶ、豚肉
といった身近な食品からだしをひいてみせ、味見を通じて、うま味の
味覚体験をしてもらおうというユニークな試みです。

「うま味を構成しているのは、グルタミン酸やイノシン酸といった物質で、
前者は昆布のほか、熟したトマトやパルミジャーノ・レッジャーノに、
後者はかつお節のほか、豚肉や鶏肉に豊富に含まれている」

「西洋料理では、おいしさのベースが油脂分にあるのに対し、だしを基本と
する日本食はうま味成分の相乗効果を利用することによって、おいしさを
引き出してきた」

といった説明を、日本食好きのオージーたちがふむふむとうなずきながら
聞いている様子はなかなか興味深いものがありました。


セッション中のひとコマ (c) Middy Nakajima

ちなみに、この時壁を隔てた隣のボールルームで行われていたプログラム
「CREATIVE」では、フランス人セレブシェフのセバスチャン・ブラス氏+
シドニーが誇るトップレストランの一つ「Quay」のピーター・ギルモア氏
という粋な組み合わせで、シドニーの美食家たちをうならせている真っ最中。

「シドニーはおいしい!」を支えているのは、ここに集まっているような
食にかける情熱がハンパじゃない食通のオージーたちなんですよねえ……。

(「地球の歩き方」オーストラリア・シドニー特派員ブログ掲載)

<<前のイヴェント
次のイヴェント>>